疑問点
- ローソク足の基礎知識とは?
- 覚えるべきローソク足の基本形とは?
- ローソク足を使った分析方法とは?
- ローソク足の活用方法とは?
ローソク足とはFXや株式などの投資商品の値動きを示すチャートのことです。
ローソク足1本からは多くの情報が得ることができ、その利便性から日本のみならず世界中で1番利用されているグラフになります。
ローソク足1本からは様々な情報が読み取ることができるのでローソク足を理解すればトレードの精度が高まると言っても過言ではないでしょう。
とはいえ慣れていないと難しそうに感じるかもしれませが、そんなことはないのでご安心ください。
この記事ではローソク足の仕組みや基本の形をわかりやすく解説していきます。 よければ参考にしてみてください。
豆知識
時は江戸時代、1700代に天才相場師と呼ばれていた本間宗久(ほんまそうきゅう)がローソク足を考案。 同時に“酒田五法”という手法も発明したと言われている。 海外の投資家には“Candle Chart”の名で親しまれているそうです。
FXのローソク足の仕組み
ローソク足には陽線と陰線があり、1本のローソク足は【四本値】と呼ばれる4つのデータ、『始値(はじめね)』『終値(おわりね)』『高値(たかね)』『安値(やすね)』から成り立っています。
ローソク足の実体の上下で"始値"と"終値"を表し、上下のヒゲで"高値"と"安値"を表しています。
四本値からは以下のような情報が読み取れます。
- 始値ーローソク足が始まった価格
- 終値ーローソク足が終了した価格
- 高値ーローソクの最も高かった価格
- 安値ーローソクの最も安かった価格
またローソク足が始まった価格(始値)よりも終わった時の価格(終値)のほうが高かった場合陽線に、ローソク足が始まった価格(始値)よりも終わった時の価格(終値)の方が安かった場合陰線になります。
上記の画像をご覧ください。
左のチャートでは一番左から値動きが始まり途中で安値と高値をつけ、一番右で始値よりも高い位置(価格)で終値をつけたことで陽線に。
右のチャートでは一番左から値動きが始まり途中で高値と安値をつけ、一番右で始値よりも低い位置(価格)で終値をつけたことで陰線が形成されました。
ローソク足の時間足
FXのローソク足には"時間足"があり、5分足なら5分間分の値動き、1時間足なら1時間分の値動きを表します。
時間足には様々な種類があり、証券会社によって多少違いはありますがほとんどが以下の種類になります。
時間足の種類
1分足(M1) 5分足(M5) 15分足(M15)
30分足(M30) 1時間足(H1) 4時間足(H4)
日足(1日ごと)(D1) 週足(1週間ごと)(W1) 月足(1か月ごと)(MN1)
また時間足ごとに"短期足""中期足""長期足"に分けることができます。
トレーダーによって期間の捉え方に微妙な違いはあると思いますが、基本的には1分足~15分足を短期足、30分足~4時間足を中期足、日足~月足を長期足と分けることがほとんどです。
- 短期足:1分足 5分足 15分足
- 中期足:30分足 1時間足 4時間足
- 長期足:日足(1日ごと) 週足(1週間ごと) 月足(1か月ごと)
ローソク足の時間足の関係
時間足の関係も少し説明したいと思います。たとえば1分足のローソク足が5本集まると5分足のローソク足1本分となり、1時間足のローソク足が24本集まると日足のローソク足1本分に、というように1本のローソク足は下の時間足(下位足)のローソク足が集まったものを表しています。
時間足の例
- 5分足のローソク足1本分=1分足のローソク足5本分
- 30分足のローソク足1本分=5分足のローソク足6本分、15分足のローソク足2本分など
- 1時間足のローソク足1本分=15分足のローソク足4本分、30分足のローソク足2本分など
- 日足(1日)のローソク足1本分=1時間足のローソク足24本分、4時間足のローソク足6本分など
画像で説明すると以下のようなイメージです。
それぞれの時間足にはぞれぞれの値動きが存在する
上記の画像を見ていただくとわかると思いますが、日足のピンクの四角の中のローソク足1本は上昇していますが、下の時間足である1時間足のピンクの四角の中のローソク足24本は横ばいのように推移していることがわかると思います。
このように1本のローソク足を下の時間足で見ると違った値動きが存在するのです。それは日足のみならずそれぞれの時間足で値動きもトレンドも異なるといえます。
この時間足ごとの値動きの違いを理解することはトレードをする上でとても大事になってきます。 続きを見る
よろしければこちらに記事も参考にしてみてください。
↓
FXのダウ理論とは?|ダウ理論の法則性を分かりやすく図解で解説|ダウ理論を活用したエントリー方法
覚えるべき11種類のローソク足
チャート上を見ると様々な形のローソク足がありますが、ここでは特に取引で活用したい基本の形といえるローソク足11種類を図解とともに解説していきます。
ローソク足の名称を暗記する必要はありませんが、ローソク足のパターンを見て相場状況を把握できるように勉強しましょう。
大陽線・大陰線
実体が大きくヒゲが短い、もしくはヒゲが無い形のローソク足です。
この形が形成されると、陽線でしたら上昇の勢いが強い、上昇の可能性がある、上昇が継続している場面、陰線でしたら下降の勢いが強い、下降の可能性がある、下落が継続している場面で出現しやすいです。
市場参加者の心理として読み取ると大陽線でしたら"買い"の注文が殺到することで実体の面積が大きいローソク足が完成します。方向性がはっきりしている時に出現しやすい傾向にあります。
メモ
- 大陽線・・・上昇の勢いが強い、上昇の可能性がある。
- 大陰線・・・下降の勢いが強い、下降の可能性がある。
小陰線・小陽線
大陽線・大陰線ほど実体は大きくなく、上下のヒゲも短くも長くもないローソク足を、陰線でしたら"小陰線"、陽線でしたら"小陽線"と言います。
下降の勢いが継続している場面ですと"小陰線"が、上昇の勢いが継続している場面ですと"小陽線"が出現しやすい傾向にあります。また市場参加者の迷いや様子見モードといったレンジ相場にも出現する傾向にあります。
メモ
- 小陰線・・・下降の継続・迷い
- 小陽線・・・上昇の継続・迷い
- 連続で出現すると大陽線・大陰線につながる可能性
下ヒゲ陰線・下ヒゲ陽線
実体の下のヒゲが長めなローソク足を、陰線でしたら"下ヒゲ陰線"、陽線でしたら"下ヒゲ陽線"と言います。
上昇の勢いが継続している場面に出現しやすい傾向にあり、安値圏で出現するとこれから上昇することを示しているローソク足でもあります。
メモ
下ヒゲ陰線・下ヒゲ陽線・・・上昇の継続、安値圏での出現は 上昇を示唆
上ヒゲ陰線・上ヒゲ陽線
実体の上のヒゲが長めなローソク足を陰線でしたら"上ヒゲ陰線"、陽線でしたら"上ヒゲ陽線"と言います。
下降の勢いが継続している場面で出現しやすい傾向にあり、高値圏で出現するとこれから下降することを示しているローソク足でもあります。
メモ
上ヒゲ陰線・上ヒゲ陽線・・・下降の継続、高値圏での出現は下降を示唆
コマ
実体が短く上下のヒゲが長いコマの形のようなローソク足を見た目の通り"コマ"と言います。
"買いにも売りにも勢いが無い"状態を表していて、揉み合い相場やレンジ相場でよく出現する傾向にあります。市場参加者としては明確な方向性が掴めないので迷いや様子見モードとなっている状態です。
このようなレンジ相場が続いた後に市場時間の移り変わりやファンダメンタルズ要因などで一気に動くこともあります。
ですがヒゲが長めのコマが高値圏や安値圏で出現すると反転や転換のサインとなることもあります。
メモ
コマ・・・迷い、様子見の状態、高値圏・安値圏では反転のサインになることもある
十字線・一本線
実体が極端に短く上下のヒゲが長いローソク足を"十字線"と言い、実体が極端に短く上下のヒゲが無いローソク足を"一本線"と言います。
こちらも"コマ"と同じで、揉み合い相場やレンジ相場で出現しやすいローソク足です。"買いにも売りにも勢いが無い状態"を表しています。高値圏や安値圏で出現すると反転や転換のサインとなることもあります。
メモ
十字線・一本線・・・揉み合い、レンジ、高値圏・安値圏での出現は反転や転換のサインになることもある
カラカサ・トンボ
短い実体から上ヒゲが無く下ヒゲだけ伸びているローソク足を"カラカサ"と言い、極端に短い実体から上ヒゲが無く下ヒゲだけ伸びているローソク足を"トンボ"と言います。
安値圏で出現した場合これから上昇の可能性を示すローソク足です。
大きく売りに動いたもののローソク足が確定する前に買いへ大きく動きそのまま確定されることで、長いヒゲが形成されます。
大きく売られていたのがそれを上回る勢いで買われているのでそのまま方向性が変わる可能性が高くなります。ちなみに形成されたヒゲが長いほどその可能性は強くなります。
メモ
カラカサ・トンボ・・・安値圏出現で上昇・転換を示唆
トンカチ・トウバ
短い実体から下ヒゲが無く上ヒゲのみ伸びているローソク足を"トンカチ"と言い、極端に短い実体から下ヒゲが無く上ヒゲのみ伸びているローソク足を"トウバ"と言います。
高値圏で出現した場合これから下降の可能性を示すローソク足になります。
大きく買いに動いたものの、ローソク足が確定する前に売りへ大きく動きそのまま確定されることで長いヒゲが形成されます。
大きく買われていたのがそれを上回る勢いで売られているのでそのまま方向性が変わる可能性が高くなります。ちなみに形成されたヒゲが長いほどその可能性は強くなります。
メモ
トンカチ・トウバ・・・高値圏出現で下降・転換を示唆
トレードに使えるローソク足の活用法
先程解説した通りローソク足の基本形はそれぞれの相場状況によって効きやすい場面というのがあります。
特に意識されていないような場面で基本形のローソク足が出現しても『思った方向に動かない』なんてことも少なくありません。
相場状況によって効きやすい場面とは以下の通りです。
効きやすい場面
- トレンド相場の押し目・戻り目で活用
- レンジ相場の高値圏・安値圏の反発に活用
※押し目とは上昇トレンドでローソク足(価格)が一時的に下がる場面のこと言い、押し目を狙って上方向にエントリーすることを押し目買いと言います。
反対に戻り目とは下降トレンドでローソク足(価格)が一時的に上がる場面のことを言い、戻り目狙って下方向にエントリーすること戻り売りと言います。
順番に見ていきましょう。
トレンド相場の押し目で活用
上の画像は上昇トレンドです。押し目をわかりやすくするために3本移動平均線を表示させました。
SMA20(ピンクの線)、SMA50(水色の線)、SMA100(グレーの線)です。
ピンクの矢印が押し目になります。
押し目辺りでは上昇を示唆するローソク足がいくつも出現していることがわかります。
このようにローソク足の基本形は押し目買いを狙う際のエントリータイミングを探る手段として活用できるといえます。
トレンド相場の戻り目で活用
上の画像は下降トレンドです。ピンクの矢印が戻り目になります。
戻り目辺りでは下降を示唆するローソク足がいくつも出現していることがわかります。
このようにローソク足の基本形は戻り売りを狙う際のエントリータイミングを探る手段として活用できるといえます。
レンジ相場の高値圏・安値圏の反発で活用
上の画像は高値圏と安値圏でだいたい同じ値幅のレンジ相場です。
高値圏では下降を示唆するローソク足、安値圏では上昇を示唆するローソク足がいくつも出現しているのがわかります。
このようにローソク足の基本形は高値圏・安値圏でのエントリータイミングを探る手段として活用できるといえます。
ただし基本的にレンジ相場は明確な方向性が無い状態なので、トレードするには難しい相場です。
ですのでレンジ相場でトレードする際は上記の画像のように、上限(高値)でも下限(安値)でも、きれいに揃っている所でのトレードが前提となります。
ローソク足のまとめ
いかがでしたでしょうか。ローソク足とはローソク足一本から多くの情報が得られることや複数のローソク足を活用することにより、トレードの精度を高めることができるテクニカル分析の基本です。
もちろん全てこの通りに相場に表れるわけではありませんが、そういう傾向にあることは理解していただけたのではないかと思います。
ですがローソク足単体でエントリーや決済のタイミングを計るのは根拠としては弱いので、加えて別のテクニカルやインジケーターを合わせると更にトレードの精度が上がることは間違いありません。
よければこちらの記事も参考にし、ローソク足と合わせて活用してみてください。
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プライスアクション・チャートパターン・移動平均線
ローソク足はシンプルですが、初心者からベテランまで、誰にでも活用しやすいテクニカルの基本といえます。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。