疑問点
- FXの取引できる時間は?
- FXの注意すべき時間帯は?
- 各市場時間帯の特徴とは?
- おすすめの取引時間は?
さっそくですが、市場時間毎の癖や特徴を図解にまとめました。
上記のように、FX市場は活発に動く時間帯や避けるべき時間帯などそれぞれ特徴があります。 最低限の知識を身に付ければ、余計なエントリーを減らせたり、自身のトレードスタイルの確立に役立てることができるでしょう。
この記事ではFXの取引時間やそれぞれの時間帯の特徴、注意点などについて解説します。
FXの取引できる時間は?
FXは土日を除く平日なら祝日であってもほぼ24時間取引きが可能です。なぜなら世界中のFX市場が開いているためです。
FX市場は株式市場とは違い、特定の取引所が無く"インターバンク市場"と言われる世界中の銀行によるFX取引のためのネットワークがあり、24時間いつでも取引ができるようになっています。
(米国サマータイム基準)
通常は銀行の営業時間は昼間だけですが、ニュージーランドのウェリントン市場から始まり、東京、シンガポール、ロンドン、ニューヨークと西へ移動しながら常に各国の銀行が営業を行っており、その国の取引時間が終了しても他の国で取引が行われるので、市場参加者は自国の金融機関が営業をしていない時間でも、このネットワークを通じて24時間取引ができるのです。
夏時間と冬時間の違い
夏と冬で取引時間が少し異なります。それは欧米諸国が"サマータイム制度"を採用しているためです。
夏の期間は冬の期間と比べて、取引可能時間が"1時間前倒し"されます。
期間の切替わり時期
- 夏の取引期間→3月の第2日曜日~
- 冬の取引期間→11月の第1日曜日~
夏の取引時間
- 月曜日 AM7:00~翌日AM6:00頃
- 火曜日~金曜日 AM6:00~翌日AM6:00頃
冬の取引時間
- 月曜日~金曜日 AM7:00~翌日AM7:00頃
基本的に上記の取引時間ですが、証券会社によって若干異なるので確認してみてください。
また、証券会社は毎日早朝に数十分程度のメンテナンス時間があるので、その時間は取引ができないようになっています。
祝日やクリスマスでも取引可能
祝日
祝日でも土日と被らなければ取引が可能です(常に他の国の市場が開いているため)。ただし自国や他の国が休場の場合、市場参加者が少なくなり取引量が減るため、相場の『ボラティリティが低く』なる傾向があります。
クリスマス
クリスマスは海外の多くの国では祝日のため休場していますが、日本では12月25日は祝日ではないので(12月25日が土日と重なった場合は休場)取引が可能です。
ただし東京市場が開いている7時~15時頃のみとなり、証券会社によってその取引時間も若干異なりますので確認が必要になります。
またほとんどの海外市場が休場なので、流動性が大きく低下し『ボラティリティが低い』『スプレッドが開く』『価格が急変する可能性がある』など、相場にも影響が出るので取引する際は注意が必要です。
FXの取引できない時間は?
上記でFX市場は24時間取引が可能と記述しましたが、例外の日もあります。
順番に見ていきましょう。
土日
土日は海外のほとんどのFX市場が休場しているので取引することができません。
ただし土日の間に経済関連、災害、重要なニュースなどが起きた場合、週明けの月曜日には大きな価格変動(窓あき)を起こすことがあります。
この価格変動は動きが読めないため、週末にポジション持っていると、想定外の被害を被る場合があります。特に短期トレードの場合はポジションの持越しは控えた方が良いといえます。
1月1日(元日)
1月1日は世界中のFX市場が休場となります。日本では大晦日や1月2日、1月3日も重視されるかと思いますが、こちらもFX市場では土日と被らなければ通常通り取引が可能です。
ただし大晦日の取引時間は証券会社によって時間が異なるので確認が必要になります。
また年末年始は流動性が大きく低下するため、『ボラティリティが低い』『スプレッドが開く』『価格が突然急変する』など値動きにも影響がでやすい時期といえます。
リスクの高い取引になるので、年末年始の取引は控えた方が無難と言えるでしょう。
FXの各市場時間帯の特徴
24時間動き続けているFX市場ですが、時間帯によって値動きにそれぞれ特徴があります。
大きく分けると、"三大市場"と呼ばれる『東京時間』『欧州時間』『ニューヨーク時間』です。その他にもう一つ覚えておきたい『オセアニア時間』があります。
それでは順番に見ていきましょう。
6時頃~8時頃 オセアニア時間
一番早くにオープンするのは日本時間の3時頃(冬時間4頃)、ニュージーランドのウェリントン市場です。続いてオーストラリアのシドニー市場が約3時間ほど遅れてオープンします。
後に解説します"ニューヨーク時間"のクローズ後、"東京時間"のオープン前の時間帯の6時~8時までがオセアニア時間と呼ばれています。
オセアニアもサマータイム制度を導入しているのですが、場所が南半球に位置するのでニューヨーク市場などが冬時間の時はオセアニアでは夏時間になります。
オセアニア時間は24時間の中で一番値動きが少ない時間帯です。
市場参加者が少ないため値動きが鈍く、スプレッドが開いたり、些細な出来事でも価格が大きく動くことがあるので注意が必要な時間帯です。
8時頃~15時頃 東京時間
9時頃になると東京市場がオープンし、続けて香港やシンガポールなど、アジア地域に住んでいる方が取引に参加してくる時間帯です。
動きが出やすいのはJPY(円)とAUD(豪ドル)などが関連した通貨になります。
東京市場では毎日9時55分の為替レートを参考に『仲値』を決定します。
仲値とは
金融機関が顧客との外国為替取引で使用する為替レートの基準となるもので、TTS(金融機関が顧客に外貨を売る際のレート)とTTB(金融機関が顧客から外貨を買う際のレート)の平均値のことを言います。
特に『ゴトー日』(5と10の付く日)は、企業の決済日が多く重なるため、金融機関はドルを大量に用意しなければなりません。そのためゴトー日が重なった日は仲値時間に向けてドルが上がりやすくなる傾向にあります。
ただし10時を過ぎるとその値動きも落ち着きを見せ、緩やかに推移していくことが多いです。
また基本的には値動きが緩やかな東京時間ですが、前日のニューヨーク時間でのトレンドが東京時間にも引き継がれている場合、価格が活発に動いているときがあります。
その他にもこの時間帯では、オーストラリアや中国の経済指標の発表があります。オセアニア通貨はその影響を受けやすいので指標の発表時にオセアニア通貨を触る際は注意が必要です。
15時頃~21時頃 欧州時間
15時頃からは欧州の市場がオープンするに従い値動きが活発になってきます。16時頃(冬時間17時頃)になるとロンドン市場がオープンするので欧州通貨は一気に値動きが活発になります。
ロンドン市場は欧州の取引の大半を占める市場ですのでこの時間帯は"ロンドン時間"とも呼ばれていて、ロンドン時間に突入したことを機にこれまでの相場の流れが変わると言ったことは少なくありません。
この時間帯に動きが出やすいのはGBP(ポンド)やEUR(ユーロ)などが関連した通貨です。
またドイツや欧州圏各国の経済指標が発表される時間帯ですので、発表があった際はユーロやポンドと言った欧州通貨は値動きが大きくなることがあるので注意が必要です。
東京時間と比べると、ボラティリティも高くなり短期的なトレンドが出現しやすくなります。
チャンスが訪れたら積極的に狙いたいですが、ユーロやポンドは欧州時間でメインとなる通貨なので値動きも激しい傾向にあります。欧州通貨を触る場合、エントリーポイントは慎重に探るようにしましょう。
注意
欧州時間帯は特に、機関投資家や銀行による取引が活発なので、サポートライン・レジスタンスラインを簡単に突破し、ストップロスを巻き込む傾向にあるので初心者の方は注意が必要です。
20時頃~翌6時頃 ニューヨーク時間
20時頃になると米国の方が参入してくる時間帯です。この時間帯に動きが出やすいのはUSD(ドル)などが関連した通貨になります。
21時頃(冬時間22時頃)にはニューヨーク市場がオープンし相場の盛り上がりはピークを迎え、21時頃から翌2時頃はロンドン市場とニューヨーク市場が重なる時間帯でもあるため、取引が活発になりトレンドも発生しやすくなります。
また24時頃(冬時間午前1時頃)には東京の仲値に相当する『ロンドンフィキシング』と呼ばれる値決めが行われます。
ロンドンフィキシングとは
東京の仲値に相当するもので、イギリスの銀行が企業と外貨で取引する際に使用されるレートのことです。毎日値決めが行われ、夏時間では24時頃、冬時間では翌1時頃に決定します。
特に月末、期末(3月末・6月末・9月末・12月末)のロンドンフィキシングはそれまでのトレンドやテクニカルを無視した値動きになる傾向があるので注意が必要です。
そのため23時頃からは実需による売買が活発化し、それまでの相場の方向性が変わる傾向があります。
その他にもニューヨーク時間では米国の経済指標の発表があります。経済大国である米国の景気動向は相場に大きく影響を与えるので、米雇用統計や政策金利など、重要度の高い指標が発表されたときは価格が乱高下することがあるので注意が必要です。
取引する際の注意するべきタイミングや時間帯
平日であれば自由に取引ができるFXですが注意するべき時間帯やタイミングもあります。無駄な取引やリスクを回避するためにも知っておきましょう。
注意すべきタイミング
取引する際の注意するべきタイミングは以下の通りです。
- 経済指標の発表前
各国の『政策金利』や『国内総生産』と言った重要度の高い経済指標の発表や、『要人発言』があった直後は価格が乱高下し、そのままこれまでのトレンドが変わることもあります。
その値動きを予測し利益を獲得できればいいですが、指標発表の値動きを事前に予測するのは、その国のより詳しい経済事情や政治状況まで、一般人では知りえない情報も把握する必要があるので不可能に近いといえます。
経済指標の発表前の取引はリスクが高くギャンブルトレードになってしまうので控えた方がいいでしょう。
合わせてこちらの記事も参考にしてみてください。 続きを見る
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FXの経済指標とは?|FXで重要且つ注意すべき経済指標|覚えるべき経済指標について詳しく解説!
注意すべき時間帯
取引する際の注意するべき時間帯は以下の通りです。
- 早朝のオセアニア時間
- クリスマス
- 年末年始
上記の時間帯は市場参加者が少ないことで取引量が極端に減り、値動きも鈍くスプレッドが大きく開いている状態がほとんどです。
スプレッドが開くと取引コストが増え利益を出しにくくなったり、短期トレードの場合ポジションを保有したと同時に含み損を抱えたり、損切りに遭うリスクが高くなります。
また流動性が低下しているときは些細な出来事でも価格が急変することがあり、思わぬ損失を被る可能性があるので、トレードすること自体にリスクを伴うことが多くなります。
上記の時間帯はトレードを控えた方が無難といえるでしょう。
FXの取引におすすめな時間帯
トレードスタイルによって異なりますが、以下の時間帯が取引しやすい時間帯といえます。
- 16時頃~翌2時頃
取引量がトップに入る『ロンドン市場』と『ニューヨーク市場』(1位イギリス、2位アメリカ、以下Wikipedia参照→外国為替取引額)が重なり、最も取引量が多くなる時間帯です。市場が活発に動いているのでトレンドが発生する頻度が高く、大きな値幅を狙いやすくなります。
活発に取引されるので相場の展開が早く、少しの時間でエントリーポイントが巡ってきたりしますので、日中に時間が取れない方はこの時間帯を狙って取引するのもおすすめです。
FXの取引時間|市場時間のまとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事はFXの取引時間と各市場時間帯の特徴についてそれぞれ解説しました。
市場時間によって、相場のボラティリティが違うこと、市場参加者が少ない時間帯はスプレッドが広がりやすいことなどは、取引する上で把握すべき最低限の知識といえます。
最後にもう一度、市場時間帯の流れになります。
合わせてこちらの記事も参考にしてみてください。→経済指標
この記事から、各時間帯の癖や特徴を捉えて、ご自身の取引に役立てて頂ければ幸いです。